中性脂肪が高い脳卒中の予防、狭心症・心筋梗塞に血液サラサラDHA・EPAパワー!
■中性脂肪を20%も低下させる魚の「DHA・EPA」
美味しいものは食べたいけど、中性脂肪が気になる・・・という方。
この時期、お花見や、歓送迎会が目白押しで、
ついつい食べすぎ、呑みすぎてしまいがちですが、
そんなときに血液サラサラパワーを発揮する食べ物があるんです。
それは、血中の中性脂肪を、なんと20%も低下させるという
そんなこと知ってるよ・・・という方、
ちょっと待ってください。
じつは、「DHA・EPA」を効果的に摂取するコツがあることを知ってました?
ほかにも、「DHA・EPA」を効果的に摂取できる食べ物があるんですね。
お魚が苦手という方にも、もってこいの食べ物です。
それは、何かといいますと・・・
■中性脂肪は人間の体を動かす大切なエネルギー源
その前に、そもそも中性脂肪とは、いったい何なのでしょう?
中性脂肪というと、お腹がでっぷりした体型を想像しがちですが、
最近ではスリムな人の中にも中性脂肪値が高い人が増えているんですね。
ただし、中性脂肪が単純に「悪者」と決めつけてはいけません。
中性脂肪は、人間の体を動かす大切なエネルギー源となるもの。
別名「トリグリセリド(トリアシルグリセロール)」と呼ばれ、
健康診断などの検査結果では、「TG」といった記号で表示されています。
食物から摂取された脂肪分は、小腸から吸収されて血液中に入って、
体内の大切な生命維持活動に利用されるのです。
このとき、使い切れなかった余ったエネルギーが
中性脂肪として、体に蓄えられることになるんですね。
いわゆる、体についたぶよぶよ贅肉、皮下脂肪が中性脂肪です。
このほか中性脂肪は、肝臓でも合成されていまして、
お米やパンなどの炭水化物を多くとったり、
アルコールの摂取によっても増加します。
中性脂肪が果たす役割としては、重要な生命維持活動のほかに、
脂肪分として内臓をガードし、体温を一定に保つという働きがあります。
「中性脂肪が高いと危険!」といわれ、病気の原因のように思いますが、
人間が生きていく上で必要なエネルギー源ですから、
ある程度の数値は、むしろ必要になってくるわけです。
ただしその反面で中性脂肪には血液中の善玉コレステロールを減少させ、
悪玉コレステロールを増加させる働きがあります。
血液がドロドロになってしまいます。
そうなると血液の流れが悪くなり、動脈硬化を引き起こし、
そこで、その中性脂肪を正常な数値に収めるために
重要な働きをしてくれるのが、
魚などに含まれ血液をサラサラにする「DHA・EPA」というわけです。
■肥満や食べすぎ、運動不足、飲酒が中性脂肪値を高くする
ところで、適正な中性脂肪値とは、いったいどれくらいの値なのでしょう?
中性脂肪の基準値は30~149mg/dlですが・・・、
日本人間ドック学会の判定基準では、
中性脂肪値が150~249mg/dlの場合は、経過観察が必要とされ、
250mg/dl以上では、精密検査または治療が必要だとされています。
図1を見てください。
図1
出典:GPA Talks
中性脂肪値が基準値より高くなるのは、
男性の場合、20代から。
女性の場合は、40代から高くなっていく傾向が見られます。
中性脂肪値が高いのは、脂質異常症(旧名:高脂血症)と呼ばれる病気です。
中年以降の男性でこの病気と診断された人の、なんと40%は、
中性脂肪値の異常高値によるもの。
そのほとんどに肥満傾向がみられるんですね。
動脈硬化症、糖尿病、甲状腺機能低下症、クッシング症候群などが疑われます。
中性脂肪値が高くなるのは、ほとんどが肥満や食べすぎ、
運動不足、飲酒によるものです。
動脈硬化症の病気の原因になってしまうので、きちんとコントロールすることが大切です。
では、具体的にはどんな点に注意すればいいのでしょう?
■「DHA・EPA」を効果的に摂取するコツは、お刺身がベスト!
1、偏らず、栄養バランスのよい食事。
2、摂取総エネルギー量を抑え、適正な体重を保つ。
3、飽和脂肪酸(おもに獣肉類の脂肪)1に対して、不飽和脂肪酸
(おもに植物性脂肪や魚の脂)を1.5~2の割合でとる。
4、ビタミンやミネラル、食物繊維もしっかりとる。
5、砂糖や果物などの糖質と、お酒を減らす。
つまり、食生活では動物性脂肪が多い食品(牛や豚の脂身、ベーコン、ハム、
ソーセージ、チーズ、バター、生クリームなど)や
糖質(炭水化物)を摂り過ぎないことが肝心です。
糖質には、パン類や麺類、ご飯、イモなどに含まれるデンプンをはじめ、
お菓子などに含まれているショ糖(砂糖)、
果実に多く含まれているブドウ糖や果糖などがあり、
いずれも肝臓で脂肪酸に作り変えられ、中性脂肪の原料となってしまいます。
注意が必要なのは、デンプンなどに比べて体内での分解吸収が早く、
とくに砂糖は、1日50g以上摂取すると、中性脂肪値が急上昇します。
また清涼飲料(スポーツドリンクも含む)や炭酸飲料、ジュース類は、
500mlのペットボトル1本に砂糖が20~50gも入っていますので、
これから飲む機会が多くなる夏場は注意が必要です。
ざっくりした言い方をしてしまえば、
飲酒している人は禁酒するか、週2回程度に節酒する。
肥満や運動不足の人は、運動する習慣をつけ、
脂肪や糖質(炭水化物)の多い食事を控える。
これをしっかり守れば、たいてい改善できるというわけです。
では、中性脂肪を下げるための食品とは何か・・・
■EPAとDHAは中性脂肪の合成を抑え、血液をサラサラにする
積極的に食べたいのが、アジ、イワシ、サバ、サンマ、マグロなどの青魚。
これら青魚の油には、EPA(エイコサペンタエン酸)と、
DHA(ドコサヘキサエン酸)と呼ばれる不飽和脂肪酸が豊富に含まれているんですね。
肝臓での中性脂肪の合成を抑え、血中の中性脂肪を減らす作用があります。
さらには、血小板が凝集するのを抑え、血液をサラサラにする働きがあるので、
狭心症、心筋梗塞、脳卒中の引き金となる血栓ができるのを予防してくれます。
魚を選ぶ際には鮮度がいいものを選ぶことがポイント。
さらに注意点として、DHAは熱に弱く、焼き魚や煮魚にすると20%、
揚げ物の場合は、50%近くの栄養分が溶け出してしまいます。
したがって、
また魚の頭の部分に多く含まれているので、
できれば切り身よりも、尾頭つきの方が効率よく摂取できるんですね。
その含有量の多い順ランキングは、以下のようになっています。
- 1位:マグロ(2877mg)
- 2位:ブリ(1785mg)
- 3位:サバ(1781mg)
- 4位:サンマ(1398mg)
- 5位:ウナギ(1332mg)
中性脂肪を下げる効果がある最高評価のAランクと公表しています。
毎日魚を食べることで、循環器系の死亡率が20%も低減 したと、
厚生労働省の研究班が発表しているんですね。
■魚のDHAやEPAの代わりに大豆やくるみに含まれる「α-リノレン酸」
青魚にたくさんEPAやDHAが含まれていることが分かっても、
イワシやサバが嫌いという人も多いのではないでしょうか?
そんな方のために、青魚の代わりになる食べ物や食材で、
青魚とそれらの食品の併せ技で、
中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする方法を探してみたところ・・・
じつは、ある物質が、その代役を務めてくれるという情報がありました。
それが、「α-リノレン酸」です。
この「α-リノレン酸」は体内ではつくれない必須脂肪酸ですが、
いったん体の中に入ると、その一部がDHAやEPAに変わるという特徴があります。
α-リノレン酸の含まれているものを食べればいいというわけです。
では、α-リノレン酸の含まれている食品は何かといいますと・・・、
亜麻仁油(あまにゆ)、しそ油、えごま油、グリーンナッツオイル、
菜種油、キャノーラ油、大豆油などの、油系。
もちろん油状態でない、えごま、大豆にも含まれています。
また、ナッツ系で「胡桃(くるみ)」にも、たくさん含まれています。
ということは、これらの油をつかった揚げ物や、
ドレッシングにしたサラダを食べてもOK。
胡桃(くるみ)を軽くフライパンで煎ったものや、「くるみパン」、
お浸しの「胡桃クリーム和え」や「胡桃味噌和え」、
「くるみパスタ」などに利用してもいいし、胡桃だれの蕎麦汁なんかも、美味しい。
最近の日本では、魚が少なく、肉が中心の食事が多くなっています。
これによってDHA、EPAの摂取量は、全世代で不足している傾向にあります。
ということは、中性脂肪値が高くなり、
狭心症、心筋梗塞、脳卒中になる危険性も増加しているということ。
「α-リノレン酸」を含む食品もおおいに活用していくことです。
あなたの血液サラサラ度は、いかがですか?
参考:厚生労働省