血糖値を下げて糖尿病や肥満予防に効果的なタマネギパワーと食事法
◇糖尿病の患者数は過去最高の、なんと316万以上!
美味しそうな餃子は、阿佐ヶ谷の名店「豚八戒」の名物・華餃子ですが・・・
勢いに乗って食べ過ぎると、血糖値がググーンと上がって
糖尿病や肥満の危険度も上昇してしまいます。
美味しい餃子も食べたいけど、糖尿病も肥満も心配。
そんなとき、血糖値の急上昇を効果的に抑えるキーポイントが、
「スローカロリー」と「タマネギ」にあるって知ってましたか?
じつは厚生労働省の「患者調査」によると、
糖尿病の患者数は、なんと316万6,000人!
前回(2011年)調査の270万から46万6,000人も増えて、
過去最高の数字になっているんですね。
また厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、
日本人のうち、糖尿病が強く疑われる人の割合は、
男性で15.5%、
女性で9.8%。
しかも、糖尿病は50歳を超えると増えはじめ、
70歳以上では男性の4人に1人(22.3%)、
女性の6人に1人(17.0%)が糖尿病と言われています。
さらに国際糖尿病連合(IDF)の発表によると、
世界にも糖尿病人口は爆発的に増えつづけていて・・・、
2015年現在で、糖尿病有病者数は、4億1,500万人。
このまま有効な対策を施さないと、
2040年までに6億4,200万人に増加すると警告を発しています。
糖尿病は、日本の「国民病」であるだけでなく、
いまや世界的な規模の「世界病」になっているわけですが・・・
では、いったいどうすればいいのでしょう?
■血糖値を下げて糖尿病を予防する食事法は?
血糖値を上げないための効果的な方法のひとつが、
「スローカロリー」と「タマネギ」です。
そもそも、米や麺、パンなどの炭水化物や
砂糖の入ったスイーツを食べると、
人間の体に入ってから小腸で分解され、肝臓で代謝されて、
「ブドウ糖」に変わります。
この「ブドウ糖」は人間にとって不可欠なエネルギー源ですが、
血液に取り込まれると血糖値が上がり、
それを抑えようとしてインスリンが分泌されます。
ところが、急激な血糖値の上昇は、大量のインスリンを分泌させ、
これが体内に脂肪をためこみ、糖尿病の悪化につながってしまうんですね。
したがって肥満を抑制するためにも、糖尿病の悪化を防ぐためにも、
血糖値の急上昇を抑えることが、重要なキーポイントとなるわけです。
そこでいま注目されているのが、「スローカロリー」と「タマネギ」の食事法。
この食事法が、血液中にブドウ糖をゆっくり吸収させ、
食後の高血糖値を回避するために、もっとも効果的なんですね。
では、まずは「スローカロリー」食事法とは、どんな方法なのでしょう?
■血糖値の急上昇を抑えるヒミツとは?
「スローカロリー」食事法のその①は・・・、
規則正しい食生活。
糖尿病や肥満といった生活習慣病のリスクを避けるために、
まず必要なのは規則正しい食生活をすること。
朝食を抜いたり、深夜にドカ食いするといった不規則な習慣は、
生体リズムを乱して、内臓脂肪をためこんでしまう原因になってしまいます。
肥満を防ぎ、血糖値を急激に上げない身体づくりのためにも、
食事の量や内容について気を配るとともに、
食事をする時間や食べ方にも注意する必要があるのです。
そして、「スローカロリー」食事法のその②は・・・、
食べる順番を変える。
肥満や糖尿病のリスクを高めるインスリンの過剰な分泌を抑え、
血糖値を急激に上昇させるのを防ぐには、食べる順番を変えること。
具体的には、
1・サラダなど食物繊維の多い野菜料理、
2・たんぱく質中心のメインのおかず
3・ごはん、パン、めん類など糖質中心の主食
といった順番で食べていくのです。
じつは、この順番にしたがって食べるだけで、
料理の栄養バランスやエネルギー量などを細かく計算しなくてもいいという手軽さ。
たったこれだけで、血糖値を測る基準となる
「ヘモグロビンA1c」も下がることが報告されています。
たとえば、糖質の多いごはんなどの主食を先に食べてしまうと、
糖質が急速に消化・吸収されて、血糖値が急激に上昇し、
そこで、最初に糖質の少ない食物繊維が豊富な野菜を先に食べることで、
腸内での糖質の吸収を緩やかにし、血糖値を上がりにくくするわけです。
次に肉や魚、大豆食品などたんぱく質中心のおかずを食べると、
野菜ほどではありませんが、主食よりは血糖値が上がりにくく、
糖質の吸収をさらに緩やかにします。
そして最後に主食を食べることで、過食を防止することもできるというわけ。
さらに、その食べ方にも血糖値の急上昇を抑えるヒミツがあるんですね。
■血糖値と「タマネギ」に秘められた意外な関係とは?
「スローカロリー」食事法のその③は・・・
よく噛んで食べる。
食べ始めてから脳の満腹中枢が働くまでは約20分かかります。
ということは、よく噛んでゆっくり食べることが過食の防止につながります。
また、かたい食材を選んだり、大きめに切ったものを食べることでも、
咀嚼する回数を増やすことができ、ゆっくり食べにもなります。
じつは、ゆっくり食べることで消化管ホルモンの一種である
インクレチンの分泌がより高まるといわれています。
このインクレチンは満腹感の持続といった作用があるほか、
肝臓に働きかけて血糖値を上げるのを抑制してくれるんですね。
そして、「スローカロリー」食事法のその④は・・・
食物繊維の多い献立を選ぶ。
食物繊維には、水溶性と不溶性の2つのタイプがあります。
血糖値の上昇を抑制する効果があるのは「水溶性の食物繊維」です。
水溶性食物繊維の多くは水に溶けると高い粘り気が生まれ、
胃の中での滞留時間を延長させ、腹持ちがいいという特徴があります。
さらには小腸内で糖質の消化・吸収をゆるやかにし、
急激な血糖値の上昇を抑える働きがあります。
一方、野菜や豆類などに含まれる「不溶性の食物繊維」は、
胃や腸で水分を吸収して大きくふくらんで満腹感が得られますし、
かたさがあることから、咀嚼する回数が増えるという利点もあります。
つまり水溶性、不溶性を問わず、食物繊維は腸内環境を整え、
免疫機能を高めて、糖尿病の悪化を防いでくれるのです。
では、冒頭でも紹介した「タマネギ」の役割は、
いったい何でしょう?
じつは、この「タマネギ」には、意外なパワーが秘められているのです。
■ここが違う、タマネギの血糖値降下作用!
昔から「タマネギ」には、血糖値を下げる効果があり、
糖尿病予防や悪化を防ぐ効果があることが知られていました。
1923年にカナダの研究者が行なった実験の結果、
血糖値を下げる働きが確認されたんですね。
では、なぜ「タマネギ」が血糖値を下げるのでしょう?
タマネギを包丁で切ると目にしみて涙が出てきますが、
これはタマネギに含まれる辛み成分によるもの。
じつは、この辛み成分である「イソアリイン」が、
インスリンの働きを高め、血糖値を下げる作用があるんですね。
しかも、ただ単にインスリンの量を増やすのではありません。
インスリンは同じ量のまま、効き目をよくしてくれるという
賢い働き方をしてくれるんですね。
ご存知のように、インスリンは血糖値を下げるために欠かせません。
でも、血液中にインスリンが増えすぎると、
こんどは血糖値が下がりすぎて低血糖の状態を起こしてしまいます。
低血糖になると、手足の震えやめまい、冷や汗が出て、
ひどい場合は意識が低下し、昏睡状態に陥ることもあります。
ところが・・・タマネギの血糖値降下作用は、ここが違います。
タマネギは薬のように強制的に血糖値を下げるのではなく、
体に余分な糖があるときだけ働くので、低血糖の心配がないんですね。
これが「タマネギ」パワーの真価なのです。
では、そのタマネギを、一日にどれくらい食べたらいいのでしょうか?
■一日に50グラムで血糖値を下げ糖尿病の悪化を防ぐ
気になる血糖値を下げて、糖尿病の悪化を防ぐには、
どれくらいの量が必要か、といいますと・・・
十分な血糖降下作用を期待するならば、
一日に50グラム以上が目安となります。
中ぐらいの大きさのタマネギなら、
4分の1個程度といったところ。
これくらいなら、無理せず毎日でも食べられそうですね。
調理法としては、生でサラダにしてもOKですし、
火を通して炒め物やみそ汁の具にしても効果は変わりません。
しかも、タマネギは加熱すると甘味やコク、
旨みがアップして、さらに美味しくなります。
この甘味はお砂糖などと違ってローカロリーで、
濃縮された「オリゴ糖」なので、整腸作用もあります。
まさに万能パワーのタマネギなのですが・・・
ただし、注意点がひとつ。
タマネギの唯一の弱点は、有効成分が水に溶けだしやすいということ。
したがって、オニオンスライスを水にさらすのはNG!
水にさらすと、せっかくの有効成分や旨みが、
もったいないくらい溶けだしてしまうんですね。
では、オニオンスライスを食べるときは、どうするか?
じつは、独特の辛みもなくなり、さらに旨みも甘味もアップする、
とっておきの方法があるんです。
やり方は、とってもカンタン。
スライスしたタマネギを20分ほど、放置しておくだけ。
以前、NHKの「ためしてガッテン」でも紹介されましが、
たったこれだけで、辛みが少なくなり、有効成分や甘味がぐんとアップします。
一日に50グラム程度なら、毎日食べつづけられそうですね。
■糖尿病予防に「スローカロリー」と「タマネギ」
では、まとめておきましょう。
血糖値を下げて糖尿病や肥満予防に効果的なキーポイントは、
「スローカロリー」と「タマネギ」にあるということ。
厚生労働省の「患者調査」によると、
糖尿病の患者数は、なんと316万6,000人!
また糖尿病が疑われる人は、
日本人の男性で15.5%、女性で9.8%もいるといわれています。
しかも、糖尿病は50歳を超えると増えはじめ、
70歳以上では男性の4人に1人(22.3%)、
女性の6人に1人(17.0%)が糖尿病なのです。
そこで肥満を抑制し、糖尿病の悪化を防ぐために、
血糖値の急上昇を抑えることが、重要なキーポイント。
いま注目されているのが、「スローカロリー」と「タマネギ」の食事法。
この食事法が、血液中にブドウ糖をゆっくり吸収させ、
食後の高血糖値を回避するために、もっとも効果的なのです。
「スローカロリー」食事法のその①は・・・、
規則正しい食生活。
糖尿病や肥満といった生活習慣病のリスクを避けるために、
まず必要なのは規則正しい食生活をすること。
「スローカロリー」食事法のその②は・・・、
食べる順番を変える。
肥満や糖尿病のリスクを高めるインスリンの過剰な分泌を抑え、
血糖値を急激に上昇させるのを防ぐには、食べる順番を変えること。
具体的には、
1・サラダなど食物繊維の多い野菜料理、
2・たんぱく質中心のメインのおかず
3・ごはん、パン、めん類など糖質中心の主食
といった順番で食べていくこと。
「スローカロリー」食事法のその③は・・・、
よく噛んで食べる。
食べ始めてから脳の満腹中枢が働くまでは約20分かかる。
ということは、よく噛んでゆっくり食べることが過食の防止につながるのです。
「スローカロリー」食事法のその④は・・・、
食物繊維の多い献立を選ぶ。
食物繊維には、水溶性と不溶性の2つのタイプがあります。
血糖値の上昇を抑制する効果があるのは「水溶性の食物繊維」です。
そして、血糖値を下げ、糖尿病の悪化を防ぐ食べ物といえば、
その代表選手が、「タマネギ」!
じつは、タマネギの辛み成分である「イソアリイン」が、
インスリンの働きを高め、血糖値を下げる作用がある。
しかも、タマネギの血糖値降下作用は、
薬のように強制的に血糖値を下げるのではなく、
体に余分な糖があるときだけ働いてくれるので、低血糖の心配がない。
血糖値降下作用と糖尿病予防効果を期待するなら、
一日に50グラム以上を食べることが目安。
調理法としては、生でサラダにしてもOKで、
火を通して炒め物やみそ汁の具にしても効果は変わらない。
ただし、注意するのは水にさらさないこと。
タマネギを水にさらすと有効成分・イソアリインが溶け出してしまう。
以上が、今回のまとめ。
血糖値を下げて糖尿病や肥満予防に効果的なのは、
「タマネギパワー」と「スローカロリー食事法」というわけです。
参考:スローカロリー研究会