花粉症の予防やアレルギー症状の改善には抗酸化力のあるバナナがいい?
■スギ花粉症の予防と症状の改善に関するバナナの効果とは?
バナナを食べると花粉症が改善されるって、知っていましたか?
花粉症で「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」などで困っている人が、
最近は、ますます増える傾向にあります。
そんな人たちに、驚きの情報が飛びこんできました。
なんと、バナナを食べるだけで、花粉症の不快な自覚症状が改善される、
という臨床結果が出ました。
バナナの歴史は古く、古来は薬用飲料として用いられていましたが・・・
筑波大学の医学医療系・谷中昭典教授を中心とした研究グループが、
「バナナを毎日食べると花粉症の症状改善に効果がある」と発表したんです。
現在、日本人の3人に1人が花粉症に罹患しているといわれ、
国民病のひとつになっています。
しかも問題なのは、1970年代から、
ますます増加の一途をたどっていることなんですね。
■花粉症の不快なアレルギー症状トップ3を改善する
そもそも花粉症とは、環境省の花粉症環境保健マニュアルによれば・・・
体内に入った花粉に対して人間の身体が起こす異物反応のこと。
これを免疫反応といいます。
つまり体内に侵入してきた花粉を「異物」と認識して、
この異物(抗原)に対する抗体を作り、
ふたたび侵入してくる花粉を排除しようとする反応です。
この免疫反応は、身体にとって良い反応なのですが、
時には免疫反応が過剰になって、
私たちの生活に支障が出てしまいます。
たとえば・・・
目の花粉症の症状として、
- 目のかゆみ
- 涙が出る
- まぶたが腫れる
- 目の充血
鼻の花粉症の症状として、
- 鼻水がどんどん出てくる
- 鼻詰まりがひどい
- くしゃみが何度も出る
口の花粉症の症状として、
- 喉(のど)の痛み
- 咳(せき)
この他に花粉症の種類によっては、頭痛、イライラする、
憂鬱になる、集中力が低下するなどの症状などがみられます。
このように身体にとってマイナスに働いてしまう場合に、
アレルギー反応と呼ばれます。
花粉症の場合は「花粉」を排除しようとして、
くしゃみや鼻水、涙という症状がでてきます。
また、シラカンバ花粉症など、スギ・ヒノキ以外の花粉症では、
花粉によって皮膚が荒れる、咳や喘息が起きる、
さらに、リンゴなどバラ科の果物を食べると口の中が腫れたり、
痒くなったりすることがあるんですね。
ちなみに、「日本調剤(東京都千代田区)」が
男女1053人(20~70歳以上)を対象に
花粉症に関する調査を実施したところ、
花粉症の症状トップ3は、
「鼻水・鼻づまり」「目のかゆみ」「くしゃみ・せき」
この順番であったことが分かりました。
■花粉症の対策や治療法とバナナに含まれる意外な成分
では、その治療法はどこまで進んでいるのか?
花粉症の治療法としては、大きく分けて二種類。
対症療法と根治療法があります。
1)対症療法
・点眼薬、点鼻薬などによる局所療法・内服薬などによる全身療法
・レーザーなどによる手術療法
2)根治療法
・原因抗原(花粉など)の除去と回避
・アレルゲン免疫療法(減感作療法)
ただし、残念ながら現状では花粉症治療の医薬品としては、
「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」といった
不快な症状を和らげるだけの対症的なものがほとんど。
とくによく使われる抗ヒスタミン剤などは、
集中力を低下させたり、眠気が起こるといった副作用が強いので、
日常生活の中では、なかなか使いにくいんですね。
また、ステロイド薬の注射はアレルギーの専門施設では
その副作用の問題から、ほとんど行なわれていません。
そんな中、筑波大学の谷中昭典教授を中心とした研究グループが、
「バナナに含まれている成分が、スギ花粉アレルギー症状の悪化や、
くしゃみ、鼻水などを抑える効果がある」と発表したのです。
花粉症に悩まされている方にとっては、まさに朗報!
「バナナを食べるだけで花粉症が予防改善される」って、ホンマかいな?
でも、どうやって食べればいいか、
なぜ効果があるかは気になるところ。
そこで、ちょっと調べてみました。
■花粉症の不快な症状を改善するバナナの驚くほどの実力とは?
谷中昭典教授らは、バナナの機能性として報告されている
「抗酸化作用」や「免疫活性化作用」などに着目し、
バナナを食べる「花粉症の予防効果」について実験を重ねました。
その結果、
スギ花粉症を発症させたマウスにバナナを毎日食べさせると、
「生体内の白血球数」が増えること、
また、花粉症アレルギーの指標である、
「好酸球数の増加を抑制する効果」があることが分かりました。
バナナを食べることで、
スギ花粉によるアレルギー反応が抑えられるわけです。
この実験を踏まえ、バナナ摂食による花粉症の予防効果が、
「人間にとっても有効かどうか」という臨床試験が行なわれました。
その結果、
バナナを毎日食べたスギ花粉症の患者さんの
「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」といった
不快な自覚症状が改善されたのです。
また、アレルギー症状だけでなく、
日常生活の質(Quality Of Life)が向上したという結果になりました。
「バナナを毎日食べるとスギ花粉症が改善される」
これが証明されたわけですね。
花粉症で注目したいバナナの効果としては、
◆オイゲノール(免疫反応を調整する作用)
◆抗炎症作用
◆抗アレルギー作用
などなど。
バナナは、特別なパワーを持つ食べ物として注目されているのです。
また、マラソン選手が競技中に食べながら走ったり、
登山中に疲れを感じた時に食べたりするのは、
バナナに含まれる糖質がスポーツとの相性が良いと証明されているからです。
では、花粉症対策にバナナをどの位食べればいいのでしょう?
■花粉症に効果のあるバナナの食べ方講座
花粉症予防と改善のために食べるバナナの量とは、
毎日、バナナ200g(約2本)
これが基本コース!
スギ花粉飛散前や(1月下旬)、飛散開始直後(2月下旬)、 大量飛散時期(3月下旬)の3回のアレルギーテストを行なった結果、
毎日2本のバナナを食べることで、
スギ花粉症の悪化や、くしゃみ、鼻水などを改善できる結果が出たそうです。
その中でも、全体がほどよい黄色に色づいたバナナは、
身近な食品中で最も「抗酸化力」が強く、
なんと、バナナがチャンピオン!
花粉症だけでなくアンチエイジングの効果が期待できるということです。
じつは、人間が呼吸によって空気から採りいれた酸素は、
体内でエネルギーをつくりだすために使われます。
ところが、この酸素が過剰になると、
体内で「活性酸素」を発生させてしまいます。
この活性酸素は、ちょうど金属に錆がつくのと同じように、
体内の細胞や組織を錆びつかせてしまうのです。
重篤な疾患の原因になる「悪玉」といわれています。
また「活性酸素」は、老人性痴呆や白内障、シミやシワの原因になるなど、
エイジング(老化)の引き金にもなると指摘されています。
この「活性酸素」を除去する働きがあるのが「抗酸化物質」!
東北大学の大久保一良教授らの試験によって、
バナナには、それが豊富に含まれていることが分ったのです。
また、バナナにはβ-カロテンをはじめ、ビタミンA、
ケルセチン、β‐クリプトキサンチン、ビタミンC、
体内の「活性酸素の害」を抑える成分が多く含まれています。
花粉症の「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」などで悩んでいる方、
グルメしながら花粉症の改善に効果があるのは、
なんとバナナだったというわけ。
食いしん坊におススメの「お気楽グルメ健康法」は、
1日に2本のバナナでした!
■バナナの歴史と驚きの健康効果について
ここで、バナナの歴史をちょっと振り返ってみると・・・
紀元前5千年~1万年ごろ、偶然できた種のないバナナの苗を、
人間が栽培化したのが、現在のバナナの始まり。
南アジアで栽培化されたバナナは、
農業技術とともに東西の熱帯地域に伝わり、
紀元前2千年頃、東アフリカ大陸などに上陸したといわれています。
その後、コロンブスのアメリカ大陸発見後の16世紀頃、
キューバ、メキシコ、ブラジルなどの亜熱帯地域へ伝わりました。
そのバナナが日本にやってきたのは明治に入ってから。
大正の後期に、おなじみの「バナナのたたき売り」が九州・門司で始まり、
以後、全国的に広がっていきました。
ちなみに、バナナは輸入直後から急激に熟成がすすみ、
皮の色の変化に応じて、中味の成分や機能にも特徴があることが分りました。
たとえば、
緑っぽい青バナナには、食物繊維、でん粉が多く含まれ、
腸の蠕動運動を増やし、整腸作用を促すのが特徴です。
黄色いバナナは、豊富なビタミンB群が含まれるほか、
第三の栄養素ともいわれるポリフェノールが、
野菜や果物の中でトップクラスの「抗酸化力」を示します。
茶色を帯びたバナナは、甘さが強くなり、バナナ特有の香りも強く、
免疫力増強作用が注目されています。
面白いのは、牛乳とバナナを混ぜて食べると、
胃潰瘍抑制効果が高まるとか。
バナナは熟度をあらわす皮の色の変化によって、
機能が異なり、味や食感の変化とともに
花粉症も、健康への効果にも違いが出てくるというわけ。
なるほど、バナナは、まさにスーパーフードなんですね。