生活習慣病やメタボ、肥満の予防と改善には「アディポネクチン」が効く?
■「アディポネクチン」と「豆腐」がメタボ予防のキーポイント
生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防には、
「豆腐が効く」って知ってましたか?
「豆腐」といえば・・・
寒いときなら温かい湯豆腐、暑い夏なら冷奴が定番。
でも、そのほかに麻婆豆腐や肉豆腐、揚げだし豆腐をはじめ、
豆腐ステーキ、豆腐チゲ、豆腐ハンバーグ、豆腐と豚肉のチャンプルー、
みそ田楽、いり豆腐、豆腐のみそ汁、豆腐グラタン、いり豆腐などなど。
「豆腐」はさまざまな料理にバリエーション豊富でアレンジ可能な食材です。
その「豆腐」と生活習慣病やメタボと、どんな関係があるのか?
じつは、生活習慣病やメタボ、肥満などの予防と改善には、
「アディポネクチン」という物質が大きく関わっていることが分かっています。
ということは、
この「アディポネクチン」を増やす効果のある食材を選んで、
積極的に摂取すればいいということになるんですね。
■「アディポネクチン」っていったい何? という疑問
じつは、最近の研究で、ベータコングリシニンという物質が、
「アディポネクチン」を増やすことがわかってきました。
そのベータコングリシニンを多く増やすのが、
大豆加工食品であり、その代表選手が「豆腐」だったというわけです!
研究結果によると、メタボの患者さんにベータコングリシニンを与え続けたところ、
わずか2~3ヶ月で「アディポネクチン」の数値が上がったというんですね。
ちょっと待って・・・、
「アディポネクチン」って、いったい何?
という方も多いと思います。
じつは、この「アディポネクチン」とは、
生活習慣病やメタボリックシンドローム、肥満などに悩む人にとって、
夢のような物質だということが分かったんですね。
もしかしたら、 健康志向の高い方は、
テレビや新聞などで目にしたことがあると思います。
でも、その具体的な構造や、実際にどんな食品に含まれているのか、
「アディポネクチン」を効果的に摂取するにはどうすればいいのか?
そもそも「アディポネクチン」が一般的に知られるようになったのは、
いったい、いつごろか?
「豆腐」がいいって、ホンマかいな?
そんな疑問が次々に浮かんできますよね?
■「アディポネクチン」がNHKや読売新聞などのメディアで紹介
じつは「アディポネクチン」はいまから20年前、
1996年に大阪大学医学部の松澤裕次教授によって発見されました。
(現住友病院長、内分泌代謝学)
この発見は瞬く間に世界中に広がり、
現代の医学界にとって注目の存在となっています。
NHKや読売新聞など、数多くのメディアに紹介されているほか、
テレビの健康番組でも取り上げられ、大きな話題になっているんですね。
では、「アディポネクチン」が生活習慣病やメタボ、肥満の予防や改善に、
どんな役割を果たすのでしょうか?
よく耳にするメタボリックシンドロームという言葉ですが、
これは、いったいどんな症状を指しているかといいますと・・・
厚生労働省が定めているメタボリックシンドロームの診断基準は、
以下のように規定されています。
ウエスト周り |
男性85cm以上|女性90cm以上 |
150mg/dl以上 |
|
HDLコレステロール |
40mg/dl未満 |
130mmHg以上 |
|
85mmHg以上 |
|
空腹時血糖 |
110mg/dl以上 |
この数値を超える人は、メタボリックシンドロームの疑いが高いといえます。
メタボになってお腹がでてしまうと、 着たい服も綺麗に着こなせなくなるだけでなく、
いかにもオジン臭くなって印象もかなり変わってしまいます。
メタボになると、内臓脂肪が増えるだけでなく、 血糖値が高い状態が続いき、
血液中の中性脂肪が高くなったり、善玉コレステロールが低くなって、
血圧が高い状態や動脈硬化を引き起こす原因が複雑に絡み合ってくるんですね。
では、なぜメタボリックシンドロームが恐ろしいのか?
それは、複数の危険要因が重なりあうことによって、
糖尿病や高血圧、心臓病などの 危険度が大きく跳ね上がってしまうからです。
ところで、2013年10月31日の読売新聞で、
この「アディポネクチン」が記事になって注目されました
その記事によると、
「やせずにメタボ治療」という見出しで書かれていまして、 「アディポネクチン」という物質によって、食事制限や運動なしで、
メタボが解消されるということがわかった、と紹介されています。
東京大学の門脇孝教授(糖尿病・代謝内科学)らの研究チームが、
マウスを使って実験をしました。
脂肪の多い食事で太って糖尿病になったマウスに、
「アディポネクチン」に似た物質を摂取させて検証ところ・・・
その結果、「血糖値」や「中性脂肪」の濃度が下がったのです。
しかも、この成分を一緒に摂取させるだけで約4割も「死亡率」が減ったのです。
記事によれば、5年以内には臨床試験を始め、 飲み薬としても摂取できるようになるとされているんですね。
ちなみに、この研究成果は2013年11月31日付けの、
英科学誌『ネイチャー電子版』にも掲載されました。
まさに夢のような物質ではないでしょうか?
今後、メタボや生活習慣病を解決する重要な鍵として、
医学界から大きな期待が寄せられています。
では、「アディポネクチン」の働き・効能とは、どんなものか?
具体的に見ていきましょう。
■動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病の予防改善に効果あり
じつは「アディポネクチン」とは、
体の脂肪(脂肪細胞)から分泌されるホルモン物質です。
体の脂肪は、食べ過ぎて余ったエネルギーを蓄えておくという、
いわば体の中の貯蔵庫のような役割をしていると考えられていました。
その脂肪から「アディポネクチン」が分泌されるというなら、
分泌量を増やすには脂肪を増やせばいいのか? というと・・・
残念! 答えはNOです。
体脂肪が増えすぎてしまうと、肥満状態になり、
反対に「アディポネクチン」分泌量は大幅に減ってしまうんですね。
そもそも「アディポネクチン」は血管のメンテナンスをしてくれる成分で、
健康的な人は自分自身の脂肪細胞から作られています。
アディポとは「脂肪」という意味で、ネクチンは「くっつく」という意味。
血管の壁などにくっついて修復する 性質があることから名付けられました。
学会で報告されている「アディポネクチン」の働きとは、
*血管を修復することにより、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞の予防改善
*糖を利用することにより、糖尿病の予防改善
*脂肪を燃焼させることにより、高脂血症の予防改善
*血管を拡張させることにより、高血圧の予防改善
*腫瘍の増殖抑制により、抗がん作用
*老化防止
*ヒアルロン酸分泌促進
といった働きが認められています。
そもそも生活習慣病では、高血圧の影響で血管が傷ついたり、
ドロドロの血で血管が詰まってしまうことから始まることが多いと考えられています。
「アディポネクチン」で血管のメンテナンスを行なうことによって、
修復、予防ができるというわけです。
では、自分自身の「アディポネクチン」は、どれくらいあるのだろう?
そんな疑問がわいてきますよね?
■「アディポネクチン」は元気で長生き、長寿の秘訣
じつは、「アディポネクチン」の量は血液検査で測ることができます。
気になる方は病院で検査してもらえますが、
男性の平均値は8.3μg/ml、女性は12.5µg/mlと言われています。
また、100歳以上の女性66名と若い女性66名を対象に、
血液中の「アディポネクチン」の量を比較する調査を行なったところ・・・、
なんと驚くべき結果がでました。
100歳以上の「アディポネクチン」の平均値20.3μg/mlに対して、
若い女性の平均値は10.8μg/mlと、なんと半分の数値だったんですね。
つまり「アディポネクチン」数値が高い人は、元気で長生き!
それを証明する画期的なデータというわけです。
逆に言えば、量が多くないと長生きできず、
「アディポネクチン」の値が4µg/ml以下になると、
糖尿病、心筋梗塞、ガンやメタボになりやすいというわけです。
生活習慣病やメタボ予防の夢の物質としての「アディポネクチン」は、
日本テレビ『午後は○○おもいッきりテレビ』TBS『ザ・快傑ドクター』をはじめ、
テレビ東京『主治医が見つかる診療所』などでも紹介されました。
メディアなどに登場し、広くマスコミに研究成果を発表し、
「アディポネクチン」の名前を広く知らしめたのが、岡部正医師です。
(日本病態栄養学会評議員、日本糖尿病学会認定専門医・指導医、日本肥満学会会員)
その岡部医師によれば、食の欧米化だけが進んだ結果、
生活習慣病の大きな要因にアメリカ文化による食の変化があると述べています。
食の変化が体質の変化につながり、
それが「アディポネクチン」の値にも影響を及ぼしているというのです。
そして、生活習慣病やメタボ、肥満の予防による「長寿への近道」として、
「アディポネクチン」を増やすことが最も効果的だと断言しているのです。
では、どうやって増やしたらいいのでしょうか?
■「豆腐」が「アディポネクチン」を増やし、健康を増進させる!
そのいちばんの近道が、じつは「豆腐」だったのです。
生活習慣病やメタボ、肥満などの予防と改善には、
「アディポネクチン」という物質が大きく関わっているとお伝えしましたが、
この「アディポネクチン」を増やす効果のある食材が、
私たちの食生活におなじみの「豆腐」なんですね。
大豆タンパク中に含まれる物質「ベータコングリシニン」が、
「アディポネクチン」を増やすことがわかってきて、
その「ベータコングリシニン」を多く増やすのが、
大豆加工食品の代表選手である「豆腐」だったというわけです!
研究結果によると、メタボの患者さんにベータコングリシニンを与え続けたところ、
わずか2~3ヶ月で「アディポネクチン」の数値が上がったというんですね。
つまり、毎日のように豆腐を食べれば、
自然に「アディポネクチンが増える!」というわけです。
また、豆腐はタンパク質や脂質など体の基礎的な栄養素のみでなく、
体を調節等して健康を維持増進させる食品「機能性食品」としても注目され、
その効用について、次々と科学的に解明されつつあります。
たとえば・・・
血圧・コレステロールを下げて動脈硬化に効果。
豆腐のタンパク質は、血液中のコレステロールを低下させ、
その成分の一つ(ペプチド)が血圧上昇を 抑制するといわれています。
米国食品医薬品局も1999 年に、この効用の表示を認めています。
また、豆腐の脂質に多く含まれるリノール酸は、
血管に付着するコレステロールを除去する善玉コレステロールを増やす作用があり、
動脈硬化を防ぎ脳出血、心筋梗塞、狭心症等の予防に効果があるとされています。
活性酸素の 抑制等により、生活習慣病や老化防止にも効果あり。
大豆サポニンは、健康の増進等に及ぼすいろいろな機能が注目され、
脂肪の蓄積を防ぎ、血管に付着した脂肪を洗い流し、
老化のもとになる脂肪酸の酸化を防ぐなど、
生活習慣病や老化防止などに関係する効果が次々と報告されています。
世界的にも注目されているイソフラボンは、大豆に最も多く含まれています。
イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをすることが分っていて、
骨粗鬆症症状の予防効果のほか、高血圧や循環器疾患のリスク軽減効果のほか、
前立腺がん、胃がんの予防効果があげられています。
■「豆腐」は生活習慣病やメタボ、肥満などで悩む人の救世主だった
というわけで・・・、
生活習慣病やメタボリックシンドローム、肥満などに悩む人にとって、
「アディポネクチン」は、まさに救世主のような存在。
その「アディポネクチン」を増やしてくれるのが、
ごく身近にあった食材のひとつ、
なんと「豆腐」だったというわけです。
また、メタボを予防するだけでなく、
老化を遅らせる成分・物質をいろいろ備えている豆腐は、
世界に冠たる長寿食ともいえるのではないでしょうか?
肉食の多い欧米等でも豆腐に関心が高まっていて、
いまや「豆腐TOFU」の名は、世界で通用する共通語となっています。
寒い冬場なら温かい湯豆腐、暑い夏なら冷奴!
さらに、麻婆豆腐や肉豆腐、揚げだし豆腐をはじめ、
豆腐ステーキ、豆腐チゲ、豆腐ハンバーグ、豆腐と豚肉のチャンプルー、
みそ田楽、いり豆腐、豆腐のみそ汁、豆腐グラタン、いり豆腐などなど。
さて、あなたはどんな豆腐料理がお好みでしょうか?
参考:アディポネクチンの新常識